【2026年8月】「偽装行為」を理由とする凍結がやや増加|自己流の問い合わせを重ねたアカウントに「対応できない」の回答
「偽装行為」を理由とする凍結がやや増加|自己流の問い合わせを重ねたアカウントに「対応できない」の回答も
2026年8月12日 更新
8月中旬の動向|4つのご報告
① 「偽装行為」を理由とする凍結が、やや増えています
8月上旬は少し落ち着いていた「偽装行為」を理由とする凍結のご相談が、中旬に入ってやや増えています。ご本人に心当たりがないまま、この理由で突然止められるケースが目立ちます。凍結理由の文言は、その後の説明の組み立てを左右する重要な情報です。通知が届いている方は、そのまま保存しておいてください。
② EMSで送付した書面は、対応されるケースが多い
送付方法による差が、はっきり出ています。EMS(国際スピード郵便)で送付した書面は対応されるケースが多い一方で、通常の書留で送付したものは、対応が通常より遅い傾向が顕著です。
| 送付方法 | 現在の傾向 |
|---|---|
| EMS(国際スピード郵便) | 対応されるケースが多い |
| 通常の書留 | 対応が通常より遅い傾向が顕著 |
③ 自分で何度も問い合わせたアカウントに、「対応できない」の明確な回答
今回、特にお伝えしたい動向です。書面送付前に、ご自身で何度も問い合わせを繰り返した経歴のあるアカウントについて、プラットフォーム側から「対応できない」と明確にメールで回答が届く事例が散見されました。これまでは「返答がないまま進まない」が典型でしたが、明確に扉を閉じる回答が返ってくるようになったのは、無視できない変化です。問い合わせの履歴は消えません。回数を重ねるほど、その後に取れる手段は狭くなっていきます。
④ 乗っ取りは変わらず多い。「なりすまし」「クレジット不正利用」が中心
アカウントの乗っ取りに関するご相談は、先月から変わらず多い状態が続いています。中でも、乗っ取ったアカウントでの「なりすまし」と、登録された決済情報を使った「クレジットカードの不正利用」が中心です。乗っ取りは「使えなくなる」被害ではなく「使われてしまう」被害です。時間が経つほど、取り返すものがアカウントだけでは済まなくなります。
*記載した傾向は当事務所が扱った事案に基づく執筆時点での実感であり、解除・復旧を保証するものではありません。期間・結果は事案の内容により異なります。
この動向から言えること
自己流の対応は、大事なアカウントほどリスクが高い
ネットで検索して出てきた情報をもとに、なんとなく自分で対応してみる——お気持ちは分かりますが、大事なアカウントほど、そのリスクは高くなります。例えるなら、比較的大きな虫歯を、自分で治療しようとするようなものです。小さな不調なら様子見で済むこともありますが、進行した虫歯に自分で手を入れれば、状態は悪くなり、その後の治療の選択肢まで狭めてしまいます。
今回の③の事例は、まさにそれが形になったものです。自己流の問い合わせを重ねた履歴が、「対応できない」という明確な回答につながっています。触る前の状態が、いちばん手段の多い状態です。
「可能性は低いですが、やりますか?」と確認せざるを得ないケースがあります
受任する側の立場からも、正直にお伝えします。ご相談の内容によっては、こちらが「可能性がない、あるいは極めて低い」と判断せざるを得ない状態になっていることがあります。その場合、当事務所としては「可能性は低いですが、それでも進めますか?」という確認をせざるを得ません。できないものを、できるとは申し上げられないからです。同じアカウント・同じ事情でも、ご相談いただくタイミングと、それまでの動き方によって、お伝えできる見立てはまったく変わります。
「触る前」が、いちばん手段の多い状態です。
知っておいていただきたいこと
不正送金まで進むと、対応は弁護士の領域になります
乗っ取りからクレジットカードや銀行口座への不正アクセスに発展し、不正送金の被害が発生した場合、その回復に向けた交渉や手続は弁護士の業務領域になります。ここで知っておいていただきたいのは、SNSトラブルの実務に慣れている弁護士は、全国的にも極めて限られているということ、そして費用も高額になりやすいということです。つまり、被害がそこまで進んでしまうと、「頼める相手を探すこと」自体が難しくなり、負担も一段と重くなります。だからこそ、その手前——予兆や初期の段階で止めることに、大きな意味があります。
SNSをビジネスで使うなら、「万が一の凍結」への備えを
SNSを事業の集客・告知・顧客接点として使っている場合、凍結はそのまま事業の停止です。起きてから考えるのではなく、平時からの備えをおすすめします。
- 登録メールアドレス・電話番号を現に使えるものにしておき、二段階認証を設定する
- フォロワー・顧客との接点をSNS一本に依存させない(メルマガ・LINE・自社サイト等の複線化)
- アカウントの運用体制(誰が・どの端末で・どの回線から)を整理しておく
- 異変が起きたときの初動(通知の保存・スクリーンショット・相談先)を決めておく
まとめ
- 8月上旬に落ち着いていた「偽装行為」を理由とする凍結が、下旬に向けてやや増えています。
- EMSで送付した書面は対応されるケースが多く、通常の書留は対応が遅い傾向が顕著です。
- 書面送付前に自分で問い合わせを繰り返したアカウントには、「対応できない」と明確な回答が届く事例が散見されました。
- 乗っ取りは変わらず多く、「なりすまし」「クレジットカードの不正利用」が中心です。
- ネットの情報をもとにした自己流の対応は、大事なアカウントほどリスクが高くなります。大きな虫歯を自分で治療するようなものです。
- 不正送金まで進むと対応は弁護士の領域となり、対応できる弁護士は限られ、費用も高額になりやすい。だからこそ手前の段階で止めることに意味があります。
状態が進んでからでは、「可能性は低いですが、やりますか?」という確認からお話を始めざるを得ないことがあります。そうなる前に、まずは状況をお聞かせください。見立てをお伝えしたうえで、進めるかどうかはご自身で決めていただけます。
本記事は、インターネット問題に強く、SNSアカウントの復旧を専門に扱う行政書士が執筆しています。
記載した傾向は当事務所が扱った事案に基づく執筆時点での実感であり、解除・復旧の結果を保証するものではありません。金銭被害が発生している場合のカード会社・警察への対応は、ご本人による連絡が必要です。
最終更新:2026年8月◯日


